又平商店
又平商店静岡県焼津市

農薬を使わない決意
又平さんの田んぼがあるのは、静岡県焼津市。
温暖で過ごしやすい環境であり、南アルプスを源流とする大井川が流れる地域です。程よく水が抜け、循環される砂地の圃場が多く、4haほどの面積でコシヒカリ、朝日、あいちのかおりなどを栽培しています。
又平さんは、農薬を入れた田んぼにカエルや虫などの生き物がいなくなることに気づき、生き物がいない田んぼで作るお米は食べたくないと思ったといいます。この気づきをきっかけに農薬や化学肥料に頼らない米作りがスタートしたといいます。

ありのまま農法
又平さんがこだわるのは「ありのまま」を貫くこと。
安心して使えないものは使いたくないとの想いから、農薬や化学肥料だけでなく、有機肥料も使わず、自然のまま、ありのままで米作りをしています。
また、その歴史は深く、30年以上も前からこの農法を貫いているといいます。この農法を続けてきたおかげで、少しずつメダカやドジョウなどの生き物が住み着くようになり、小さい頃に遊んだ田んぼの景色が戻ってきたと話してくれました。

植物のたくましさを引き出す
ありのままで育てた稲は、植物本来のたくましさ・強さがあり、ほとんど病気になることはなく、手をかけずとも健やかに育つといいます。また、生き物が戻り、生態系があることによって田んぼの地力も豊かになったと話してくれました。
除草剤を使わないため、雑草対策に苦労しているものと思っていましたが、土の起こし方、白かき、水管理をうまくコントロールできれば、草の管理は非常に簡単だと笑顔で話す又平さん。
美味しさも、安全性も大事だけど、そこに生き物が住む生態系があることが大切。10年後には蛍が戻ってくるような地域を作っていきたいといいます。