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お米コラム

管理栄養士が考える、食生活に「玄米」を取り入れるメリット・デメリット その3~玄米に含まれるヒ素とは?~


母の日特集

玄米ご飯

前回、栄養価の高い玄米にデメリットはあるのかについて考察しましたが、今回はお米に含まれてるという、「ヒ素」について調べてみましたので、共有したいと思います。
「ヒ素」と聞くと、怖いイメージがある方もいらっしゃると思いますが、玄米を食べても大丈夫なのか?考えていきます。

 
 

お米や海藻に含まれる「ヒ素」。玄米に多いって本当?

 
ヒ素は、自然界に広く存在するもので、水や農産物、畜産物にも微量のヒ素が含まれています。
ヒ素は、単体で存在するほか、炭素や酸素などと結合し、多くはヒ素化合物として存在しています。
ヒ素化合物のうち、炭素を含むものは「有機ヒ素」、炭素を含まないものは「無機ヒ素」と呼ばれています。
「有機ヒ素」については現状では人体への影響はまだわかっていませんが、欧州食品安全機関(EFSA)や米国食品医薬品局(FDA)の評価によると、悪影響の程度は小さいと言われています。
「無機ヒ素」については、短期間かつ多量の摂取により、体調不良を生じたり、継続的かつ多量に摂取することで発がん性などが指摘されています。
お米に含まれる無機ヒ素は、ぬか層に多いため、精米していない玄米には、白米に比べて多くの無機ヒ素が含まれていると言われています。
 
土鍋で玄米ご飯を炊くところ

 

玄米を毎日食べても大丈夫?

 
では、ヒ素が白米より多く含まれる玄米を日常的に食べても健康に悪影響がないのか、気になるところですよね。
農林水産省のHPにも、食品中のヒ素についての評価やQ&Aが掲載されています。

“ヒ素は自然環境中に広く存在するもので、日本国内の土壌や水中にも含まれています。このため、コメをはじめ多様な食品に微量のヒ素が含まれており、日本人は食品や飲料水を通じてヒ素を摂取しています。しかし、通常の食生活を通じてヒ素が体内に入ることで、健康に悪影響が生じたことを明確に示す国内のデータは現在のところありません。 お米を食べることも含めて、バランスのよい食生活を送っていただければ問題ありません。 ”

“(1)コメに含まれる無機ヒ素は、玄米の外側についている糠(ぬか)の部分に多く含まれています。そのため、玄米を白米に加工したり、コメを研いだりすることでぬかを落とすと、コメに含まれる無機ヒ素の濃度が低くなることが分かっています。
(2)したがって、白米をよく研いで食べることで、コメを通じて摂取するヒ素の量を減らせる可能性があります。
(3)ただし、ぬかの部分には鉄分や食物繊維などの栄養成分が豊富に含まれ、玄米は白米と比べて栄養面で優れた食品です。食品安全委員会の評価でも「バランスの良い食生活を送っていただければ問題ない」とされており、バランスの良い食生活を心がけていただければ、玄米やぬか漬けを食べていただいたとしても、食品を通じてヒ素を摂取することによる健康への問題はありません。”

出典:農林水産省 食品中のヒ素に関するQ&A →https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/qa.html#4

無機ヒ素のリスクについては否定できませんが、玄米はそのリスクを上回るような他の健康効果も高く、バランスよく食生活を送れば問題ない、とされています。
人体への影響についてはまだ調査や研究が進められている途中ということもあり、可能な範囲でヒ素の摂取は減らせるのが望ましいですが、極端に偏った食生活などでない限り、現段階で心配しすぎる必要はないのかなと思います。
ヒ素と聞いて思い浮かぶ、森永ヒ素ミルク事件(昭和30年)や和歌山ヒ素カレー事件(平成10年)などは、高濃度の無機ヒ素による健康被害として知られています。玄米や白米などの食材から自然に摂取する量とは全く違う高濃度のヒ素なので、事件のイメージから、ヒ素だけを過剰に気にし過ぎる必要はないと思います。
あくまで個人的な意見としてですが、小さなお子様等に関しては、ヒ素などのリスクと併せて、玄米は食物繊維が多く、しっかり噛んで食べられないと栄養も十分に吸収されず、消化に悪い面もあるので、栄養があるからといって、毎日、積極的に与える必要はないのかなと思っています。
こどもには、しっかり噛む練習や、色んな味に触れて味覚を育てるといった意味で、献立の選択肢のひとつのようなイメージで、時々楽しみながら、玄米も取り入れてみるのはいかがでしょうか。

→玄米のヒ素は過剰に心配しなくて大丈夫!健康にプラスの面も多いので、適度に取り入れながら、バランスの良い食生活を。

 

 

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編集者プロフィール

矢田 規子 / 管理栄養士

管理栄養士/フードコーディネーター/フードスタイリスト 大学時代より栄養について学び、管理栄養士国家資格を取得。デパ地下で野菜を中心とした惣菜店を展開する企業を経て、フードコーディネーターのアシスタントを務め、料理撮影やTV・動画のフードコーディネート、料理講師など幅広く経験を積んだ後、独立。 栄養学の知識を活かしたメニュー開発や、料理撮影、スタイリングなどを行う。 二児の母で、離乳食や幼児食の大切さを日々実感中。 食の楽しみを第一に、日々の少しの工夫で健康も目指せることを大切にしている。

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