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お米コラム

さっぱり食味のお米とは?粘り控えめで毎日食べやすいお米の選び方

             

近年、日本では春を過ぎるとすぐに暑い日が増え、夏の期間がずいぶんと長くなったように感じられます。体がなんとなく疲れやすくなる季節、毎日の食事も「できるだけ軽やかに、さっぱりしたものを食べたい」と感じる機会が増えているのではないでしょうか。
実は、主食であるお米の選び方もその一つです。日本では長年、「コシヒカリ」に代表されるような、強い粘りと濃厚な甘みを持つ「もっちり系」のお米が主流であり、その美味しさは広く愛されています。しかし、暑さが長引く季節や、少し体調が優れないときなどには、その豊かな粘りと重厚な甘みが裏目に出てしまい、「少し重たくて食が進まない」と感じてしまうことも少なくありません。
そこで今、改めて注目を集めているのが、さらりと軽やかにいただける「さっぱり食味」のお米です。「毎日食べても飽きない」「夏の暑い時期でもお箸が進む」と、現代のライフスタイルや気候に合わせて選ぶ方が増えています。
この記事では、お米マイスターの視点から、上品で軽やかな「さっぱり食味」のお米の魅力について、もっちり系との違いや相性の良い料理を交えながら分かりやすく解説します。

さっぱり食味のお米のイメージ

 

さっぱり食味のお米とは

さっぱり食味のお米を一言で表現するなら、「軽やかで、口ほどけが良く、料理にそっと寄り添うお米」です。
お米の食味や食感を決定づける大きな要素の一つに、でんぷんの成分である「アミロース」の含有率があります。お米のでんぷんは「アミロース」と「アミロペクチン」という2つの成分で構成されており、このうちアミロースの割合が低いほど粘りが強く軟らかいお米になり、高いほど粘りが控えめでしっかりとした質感のお米になります。
さっぱり食味のお米は、このアミロース含有率が適度に高いため、炊き上がりの一粒一粒の輪郭がはっきりとする「粒立ちの良さ」が生まれます。口に入れた瞬間にベタつかず、さらりとほどける心地よい「口ほどけ」が大きな特徴です。甘みや香りが主張しすぎず、非常に上品でクリーンな後味を持つため、毎日食べても飽きることがありません。

 

もっちり食味のお米との違い

お米選びで迷わないために、広く親しまれている「もっちり食味」のお米と「さっぱり食味」のお米の違いを、4つの評価基準から比較してみましょう。

粘り

もっちり系:お米の表面から内部にかけて強い粘り気があり、もちもちとした食感があります。
さっぱり系:表層のベタつき(おねば)が控えめで、噛んだときに過度な粘り気を感じさせず、サラッとした質感を保ちます。

甘み

もっちり系:口に入れた瞬間から濃厚で強いでんぷんの甘みが広がり、お米単体でも強い満足感を得られます。
さっぱり系:噛み締めるほどに、お米本来の優しく穏やかな甘みがじんわりと広がります。主張が強すぎないため、他のおかずの味を邪魔しません。

粒立ち

もっちり系:粒同士が一体となって、全体がふっくらと柔らかくまとまる傾向があります。
さっぱり系:炊き上がったとき、お茶碗の中で一粒一粒の輪郭がはっきりとしています。

口ほどけ

もっちり系:咀嚼する際、お米が口の中でまとまりやすく、モチモチとした弾力を長く楽しめます。
さっぱり系:噛むと口の中でパラリ、さらりと心地よくほぐれていき、喉越しも軽やかです。

 

さっぱりしたお米が好まれる理由

和食とさっぱり米のイメージ

さっぱりしたお米が多くの人に愛される最大の理由は、「食べやすさ」と「料理との調和」にあります。
炊きたての新米はどれも美味しいものですが、もっちりとして甘みが強いお米は、その豊かな味わいゆえに、年齢や体調、あるいは合わせるおかずによっては「少しお腹にたまる」「重たく感じる」ということがあります。
その点、さっぱりしたお米は食感が軽いため、朝食から夕食まで胃に負担を感じにくく、サラサラと箸が進みます。また、お米自体が「主役」として強く主張するのではなく、食卓に並ぶお肉やお魚、お惣菜といった「おかずの美味しさを引き立てる名脇役」になってくれるのです。現代の多様な食卓において、毎日の主食としてこれほど心強い存在はありません。

 

さっぱり食味に多い代表的な品種

日本には数多くの素晴らしいお米の品種がありますが、その中でも「さっぱり食味」の魅力を存分に味わえる代表的な品種をご紹介します。

ササニシキ

「さっぱり系お米の代表」とも言える、かつてはコシヒカリと並ぶ大人気品種でした。繊細で上品な味わいと、口の中でハラリとほどける極上の食感は、今なお根強いファンから絶大な支持を得ています。

ヤマチョウ(佐々木大作)さんの秋田県にかほ市産ササニシキ(自然栽培米)

ヤマチョウ(佐々木大作)さんの
秋田県にかほ市産ササニシキ(自然栽培米)

鳥海山の麓。自然豊かな美しい環境で、育苗土から手作り、肥料、農薬、除草剤、を使わず丁寧に育てました。心から安心して食べられるものを届けることを第一に考え、全て自然栽培で米作りをしています。冷めても美味しいササニシキをぜひご賞味ください。

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朝日(あさひ)

歴史ある日本の在来品種で、現代の良食味米のルーツとしても知られています。ふっくらと炊き上がりながらも、しっかりとした歯ごたえが残り、喉ごしが良いのが特徴です。お米本来の味わいがありながらも口当たりがすっきりしているため、熱烈なファンに支持され続けています。

山崎農園(山崎正人)さんの岡山県倉敷市産朝日一分付き米(有機栽培米)

山崎農園(山崎正人)さんの
岡山県倉敷市産朝日一分付き米(有機栽培米)

山崎農園さんが岡山県倉敷市で丁寧に育てた、有機栽培の「朝日」一分付き米です。玄米の表面をほんのわずかに削ることで、玄米に近い自然な風味を残しながら、毎日の食卓に取り入れやすい食べやすさに仕上げました。白米では物足りないけれど、玄米は少し重たい、そんな方におすすめしたい一品です。

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ハツシモ

主に岐阜県で栽培されている品種で、大粒でしっかりとした歯ごたえが特徴です。アミロース含有量が比較的高いため粘りが強すぎず、口の中で一粒一粒の存在感をはっきりと楽しめます。ほとんど一般流通しませんが、隠れた実力派として人気を集めています。

主穂営農(奥村知己)さんの岐阜県岐阜市柳津町産ハツシモ

主穂営農(奥村知己)さんの
岐阜県岐阜市柳津町産ハツシモ

大粒で見た目にもインパクトのあるお米です。シャッキリと炊き上がり、食べ応えのある粒感を楽しむことができます。甘さは上品で、すっきりとしているため炊き込みご飯にもぴったりのお米です。

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料理別|さっぱり食味のお米の選び方

寿司米のイメージ

お米マイスターとしてぜひおすすめしたいのが、「料理に合わせたお米選び」です。粒立ちがよくベタつかないさっぱり食味のお米は、特定の料理においてその真価を発揮します。

寿司

お寿司には、まさに「ササニシキ」のようなさっぱりしたお米が最適です。合わせ酢をしっかりと吸収しても粒が潰れず、水分でベタつくことがありません。ネタの繊細な脂や旨みと合わさった瞬間、口の中でシャリがハラリとほどける一体感は、さっぱり系お米ならではの相性の良さです。

カレー・チャーハン

ルーをかけるカレーや、油で炒めるチャーハンには、粒離れの良いお米が欠かせません。もっちりしたお米だと粘り気でベタついてしまいがちですが、さっぱり系のお米なら、カレールーが粒の隙間に心地よく絡み、チャーハンもパラパラとしたプロのような仕上がりに導いてくれます。

丼もの

上からタレや出汁をかける丼ものでは、お米が汁を吸ってブヨブヨに伸びてしまうのを防ぐ必要があります。粒がしっかりとしたさっぱり系のお米を選ぶことで、汁を適度に変形せずに受け止め、最後まで一粒一粒の食感を残したまま美味しくいただくことができます。

伝統的な和食(焼き魚、お刺身など)

お刺身や焼き魚、おひたしといった、素材の味を活かした繊細な和食には、お米の甘みが強すぎない方が、おかずの絶妙な塩気や旨みが引き立ちます。お互いを高め合う、上品な食卓を演出してくれます。

 

お米マイスターがすすめる、さっぱり食味のお米の楽しみ方

最後に、毎日のお米選びに迷っている方へ、お米マイスターからのアドバイスです。
お米を選ぶとき、どうしても「銘柄の知名度」や「特A」といった評価だけで決めてしまいがちですが、一番大切なのは「ご自身のライフスタイルや、その日のメニューに合っているか」ということです。
もし、これまでに「お米を変えてみたいけれど、どれを選べばいいかわからない」と迷っていたら、まずはいつものお米とは対極にある「さっぱり系」の銘柄を小さな2kg袋などで試してみてください。
炊き方のコツとしては、さっぱりしたお米の「粒立ち」をさらに活かすために、お釜の目盛りを守った水加減にすることです。炊きたてにしゃもじを十文字に入れ、底から空気を含ませるように優しくほぐすと、お米のみずみずしい香りと共に、一粒一粒がキラキラと輝く美しいご飯が仕上がります。

 

まとめ|軽やかで料理に寄り添うお米を選ぶ

お米の「美味しさ」の基準は、決して強い粘りや濃厚な甘みだけではありません。
口の中で美しくほどける軽やかさ、どんなおかずも優しく包み込む懐の深さ、そして毎日食べても飽きない心地よさ。それらを持ち合わせた「さっぱり食味」のお米は、現代の私たちの食卓をより豊かに、そして軽やかに彩ってくれる素晴らしい選択肢です。
次の週末は、ぜひお好みの和食やカレーに合わせて、さっぱりとしたお米を選んでみてはいかがでしょうか。主役のおかずを引き立てる名脇役の魅力に、きっと驚かれるはずです。

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編集者プロフィール

小野寺理騎 / 日本米穀商連合会 認定五ツ星お米マイスター

日本米穀商連合会 認定五ツ星お米マイスター   全国各地の美味しいお米を作る生産者を発掘するため、全国各地・年間100軒以上の農家さんを訪問しています。北海道から鹿児島まで200種類以上の食味鑑定を実施しました。産地に行き、直接お話することではじめてわかることが多々あります。お米のバックグラウンドまで美味しく食べていただきたいから、つくり手のこだわりや想いも一緒にお届けしていきたいと考えています。

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