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お米コラム

【お米のとぎ汁の活用法】美容・健康・家事にも万能!とぎ汁を捨てずに使うメリット


母の日特集

お米を炊くたびに出る「お米のとぎ汁」。そのまま捨てていませんか?
お米の成分が溶け出したお米のとぎ汁には、活用するメリットがたくさん!節水にもつながって、環境にも優しくエコ、身体にもうれしい、いいことづくめのお米のとぎ汁活用法をご紹介します♪

 

お米のとぎ汁

お米のとぎ汁とは

お米を研ぐとき、水が白く濁ります。その白濁した水を、お米のとぎ汁と呼んでいますが、これは、お米の表面に付いていた成分が水に溶け出したものです。
玄米を精米し、精白米にする過程で、細かく粘着性の高い米ぬかがお米の周りに残ります。この米ぬかは「肌ヌカ」と呼ばれ、この肌ヌカを落とすために、お米を洗います。

 

お米のとぎ汁にはどんな成分が含まれている?

お米ととぎ汁

お米のとぎ汁は、肌ヌカ(米ぬか)が溶け出したものなので、米ぬかとも共通の成分が含まれています。


・デンプン
・アミノ酸
・ミネラル(リン、マグネシウム、カルシウムなど)
・水溶性ビタミン(ビタミンB群など)
・脂溶性ビタミン(ビタミンE)
・γ-オリザノール
・植物ステロール
・フィチン酸
・フェルラ酸
・イノシトール
など

あくまでとぎ汁ですので、含有量はそこまで多くはありませんが、有用な成分が複数含まれています。

 

お米のとぎ汁の保存方法、注意点

お米のとぎ汁は、適切に保存して早めに使いきる必要があります。栄養豊富な分、条件が悪いと雑菌も増えやすく、傷みやすいというデメリットがあります。

お米のとぎ汁を料理に使用したり、直接肌に触れる使い方をする場合は、特に気をつけましょう。
清潔な保存容器に入れ、蓋をして冷蔵庫で保管すれば、2~3日は使用可能です。使いきれない分は早めに入浴剤として使用するなど、こまめに入れ替えて鮮度を保ちましょう。

1回目のとぎ汁には細かい汚れなどが混ざっている可能性があるので、2回目以降のとぎ汁を保存するのがおすすめです。

 

【活用法1】美容、スキンケア、入浴剤

とぎ汁でヘアケア

市販の化粧品にも、お米由来の成分が配合されていることをキャッチコピーにしている商品がありますよね。
日本では、平安時代には米のとぎ汁で髪をとかし、ヘアケアにも用いられていました。
また、江戸時代頃には米ぬかが洗顔に使われていました。細かい粒子が汚れを吸着し、油脂が含まれるので肌の乾燥を防止する効果も期待できます。

お米のとぎ汁に含まれているセラミドは、実際に保湿成分として化粧品にも配合されている成分です。肌の表面にある角層の成分であり、肌の中の水分を保ち、外からの刺激から守るバリア機能を高めています。

米のとぎ汁を適度に薄めて洗顔や髪を洗う際に使ったり、化粧水代わりに使用することができるそうです。
お風呂で湯船に加えれば、入浴剤代わりにもなります。

とぎ汁を容器に入れてしばらく置くと、底に白い沈殿物が溜まります。これをスプーンなどですくって肌に広げれば、パック代わりにもなるそうです。肌がワントーン明るくなり、くすみが取れるとか!

※敏感肌・アレルギーのある方などは特に、自分のお肌に合うかどうか確認してから使用することをおすすめします。


参考:稲益 悟志, 生山 玲奈, 藤崎 裕子, 杉本 憲一 米のとぎ汁(ゆする)のヘアケア効果 日本化粧品技術者会誌 2010年44巻1号p.29-33https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj/44/1/44_1_29/_article/-char/ja/

 

【活用法2】掃除、洗濯、食器洗い

とぎ汁で掃除

お米のとぎ汁に含まれる成分には、デンプンには吸着性や乳化性、サポニンには洗浄性があり、界面活性剤のような働きもしてくれます。
そのため、お掃除や洗濯、食器洗いなどにお米のとぎ汁を使用することで、皮脂汚れやシミが取れやすくなったり、油汚れを落としやすくする効果があります。

また、お米のとぎ汁に含まれる油分により、フローリングなどはお米のとぎ汁で拭き掃除を続けることで、ツヤが増すそうです。コーティング加工されているものなど素材によっては見た目に変化はなさそうですが、天然素材でお掃除できる点は、安心ですよね。


参考:坂本 ゆか,中村 竜也,大矢 勝 米のとぎ汁の洗浄力要因の推定と関連消費者情報の分析繊維製品消費科学 2021年62巻8号p.528-534https://www.jstage.jst.go.jp/article/senshoshi/62/8/62_528/_article/-char/ja/

参考:北海道消費者協会 米のとぎ汁による洗浄効果 令和5年10月掲載http://www.syouhisya.or.jp/test/kitakura518komenotogijiru.pdf
 

【活用法3】家庭菜園やガーデニングの肥料

とぎ汁でガーデニング

昔から、おばあちゃんの知恵として、お米のとぎ汁を植物の水やりに使うという方法を聞いたことのある方も多いと思います。一方で、お米のとぎ汁は肥料として植物に与えないほうが良いという意見もあり、判断に困るところですよね。

お米のとぎ汁には植物の成長に欠かせない窒素、リン、カリウムなどのミネラルも含むため、上手に活用したいところですが、やみくもに与えると逆効果になることもあるため、注意が必要です。
とぎ汁に含まれるデンプンやたんぱく質は、一見栄養たっぷりに思えますが、肥料としてはトラブルを招く原因にもなるため、あらかじめ発酵させて乳酸菌や酪酸菌などを増やしてから使用します。

【肥料として使う際のポイント】

・米のとぎ汁は“そのまま”与えない。とぎ汁には、たんぱく質やデンプンなどが含まれ、土を固めてしまって成長を妨げたり、カビや虫の発生の原因になることもある。
・米のとぎ汁は、あらかじめ発酵処理し、土の負担の少ない状態にしてから使用する。米のとぎ汁約500mi、砂糖大さじ1、塩小さじ1を混ぜ合わせ、常温で数日~2週間ほどおくと、乳酸菌や酪酸菌などが増え、肥料として使いやすい状態に。発酵してくるとガスが発生するので、たまに容器の蓋を開けてガスを逃がす。発酵したとぎ汁も、10~1000倍程度に薄めて使用する。
・毎日の水やりには使用せず、週1回など間隔を空けて与え、様子をみる。
・特に土の量が少ないプランター菜園などでは、土のバランスが崩れやすくなるので、薄めたものをごく少量から与える。水耕栽培や土の少ない観葉植物などには不向き。

少しコツや見極める力が必要ですが、ある程度の広さの家庭菜園などがある方には、活用するメリットが大きそうです。
米のとぎ汁を発酵させずに使用することはあまり推奨されていませんが、うまくいくケースもあるようです。お米のとぎ汁を植物に与える場合は、薄く希釈したものを使い、週1回など頻度を抑えて様子をみてみてくださいね。


参考:レファレンス協同データベース レファレンス事例詳細 米のとぎ汁は肥料になるか。肥料になるとしたら、そのと作り方が知りたい。https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?page=ref_view&id=1000071834

 

【活用法4】土鍋や陶器の目止め

とぎ汁で目止め

新しく購入した土鍋や陶器類は、使用する前に「目止め」という処理をすることで、目には見えない細かい凹凸を埋め、シミやひび割れ、におい移りなどを防ぎます。

土鍋の目止め

土鍋の8分目くらいまでお米のとぎ汁を入れ、沸騰させたら弱火にして20分ほど加熱してから自然に冷めるまで放置する。(とぎ汁の濃度が薄い場合は、残ったごはんや生米を少し足す。)
冷めたら、水洗いしてぬめりを取り、乾燥させて完成。

陶器の目止め

大きめの鍋に器と、器がかぶるくらいのとぎ汁を入れ、沸騰後弱火で20分程加熱し、自然に冷めるまで放置する。
冷めたら、水洗いしてぬめりを取り、乾燥させて完成。

 

【活用法5】料理の下ごしらえ

とぎ汁で料理の下ごしらえ

お米のとぎ汁は、料理の下処理にも使えます。
・野菜や果物を洗う…汚れや農薬などを浮かせて落としやすくする。
・野菜のアク抜き…大根、筍、里芋、ゆり根などを茹でる際に、お米のとぎ汁を使うと、苦みやえぐみが抑えられる。
・乾燥豆を戻す…豆を煮る前に、米のとぎ汁に浸けて戻しておくと、えぐみが抑えられ、うま味が抜けにくくなる。
・魚介類の臭み取り…魚や海老などの下処理に米のとぎ汁を使えば、臭みを抑える効果がある。

 

【活用法6】スープ、汁物などに水の代わりに料理に使う

お米のとぎ汁は、お米の成分が水に溶け出したものですので、飲んでも問題ありません。
米ぬかに含まれる栄養素も含まれていますので、せっかくなら活用したいですよね。
1回目のとぎ汁には、汚れなどが混じっている可能性があるので、料理に使う場合は2回目以降のとぎ汁を使いましょう。無農薬や、農薬の少ないお米だと更に安心です。

韓国料理では、よくスープにお米のとぎ汁を使用します。
韓国でよく登場するワカメスープ(ミヨック)や、キムチチゲにも使われ、雑味を抑えて風味の良いスープに仕上がるそうです。
日本でも、香川県の郷土料理に「えびみそ汁」というものがあり、お米のとぎ汁を使用するそうです。


農林水産省 うちの郷土料理 えびみそ汁 香川県https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ebi_miso_shiru_kagawa.html

普段のお味噌汁やスープ作りにも、お米のとぎ汁を使うと無駄がなく、美味しく仕上がり、一石二鳥ですね!

 

【活用法7】腸活にも!お米のとぎ汁で作る水キムチのレシピ

水キムチ

お米のとぎ汁は、発酵食品作りにも活用できます。
汁ごといただくのが特徴の、韓国の辛くないキムチの作り方をご紹介します!

お米のとぎ汁で作るムルキムチ(水キムチ)

調理時間:40分(※発酵時間を除く)

材料(作りやすい分量)

お米のとぎ汁
500ml
砂糖
小さじ1
好みの野菜(例:白菜、大根、人参、きゅうり、セロリ、キャベツ、パプリカ、ラディッシュ、細ねぎ)
約300g
小さじ2
りんご(または梨)
1/2個
ニンニク
1/2片
生姜
1/2片
赤唐辛子
お好みで

準備

お米を洗ってとぎ汁を取る。1回目はさっと洗ってすぐに捨て、2回目、3回目の濃いとぎ汁を取っておく。

作り方

❶ 鍋にお米のとぎ汁500ml、砂糖を入れて火にかける。沸騰したら火を止め、冷ましておく。

❷ お野菜を食べやすい大きさに切る。大きめのボウルに入れ、塩を加えて全体になじませる。そのまま10分ほど置く。

❸ りんごは皮付きのままいちょう切り、ニンニクと生姜は薄切りにしておく。

❹ 清潔な保存容器またはジップロックなどの保存袋に②(汁ごと)と③を入れ、①の漬け汁を注ぐ。

❺ 蓋をして室温で半日(夏)~2日(冬)程度置く。ときどき味見をし、発酵が進んで酸味が出てきたら冷蔵庫で保存する。

ここがポイント!!

冷蔵庫でもゆっくりと発酵が進みます。味の変化をお楽しみください。
冷蔵で1週間ほど保存可能です。気温などによって状態が異なりますが、1週間を過ぎてからは、鍋やスープにするなど加熱すると安心です。取り出すときは清潔なスプーンで。
水キムチは、汁に乳酸菌がたっぷり含まれています。そのまま飲むほか、韓国冷麺や、そうめんなどのスープとしても使うことができます。

水キムチは、乳酸菌がとても多いことが特徴です。その数、普通の白菜キムチの約2倍、ぬか浸けの10倍以上ともいわれています。
乳酸菌は腸内環境を整えてくれるので、免疫力アップなどの健康維持や、美容・ダイエットにも役立ちます。

また、半端に残った野菜や、普段は捨ててしまう大根の皮などを活用して作ることもできますので、食品ロスの削減にも役立ちます。
手軽に作れてアレンジも楽しめるので、ぜひ試してみてくださいね。

 

世界に誇るMOTTAINAI(もったいない)の精神

日本には「もったいない」という言葉があります。
「MOTTAINAI」という言葉は、世界からも注目され、かけがえのない資源を大切にする日本人の心を映しています。


環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイさん。
2005年に毎日新聞社の招きで初来日した際、編集局長のインタビューで
「もったいない」という言葉に出会い、感銘を受けました。

環境 3R + Respect = もったいない

Reduce(ゴミ削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)という
環境活動の3Rをたった一言で表せるだけでなく、かけがえのない地球資源に対する
Respect(尊敬の念)が込められている言葉、「もったいない」。

マータイさんはこの美しい日本語を環境を守る
世界共通語「MOTTAINAI」として広めることを提唱しました。


引用元:MOTTAINAI HOMEhttps://www.mottainai.info/jp/about/

豊かになったいま、実は魅力や使い道が沢山あるのに、目を向けられず捨てられてしまうものがあまりにも多くなってしまっている現状があります。
SDGsやサステナビリティという言葉も広がり、環境への配慮が求められている昨今ですが、ものが今ほど豊かではなかった時代には誰もが持っていたであろう、もったいない、という気持ちを、皆が今一度持たなければいけないなと思います。

お米のとぎ汁は、お米を主食とする日本ではとても身近で、普段は目にも留めていない存在かもしれませんが、改めて注目してみると、魅力に溢れていますね!
農家さんたちが愛情を込めて作ったこだわりのお米、とぎ汁までじっくり楽しんでくださいね!

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編集者プロフィール

矢田 規子 / 管理栄養士

管理栄養士/フードコーディネーター/フードスタイリスト 大学時代より栄養について学び、管理栄養士国家資格を取得。デパ地下で野菜を中心とした惣菜店を展開する企業を経て、フードコーディネーターのアシスタントを務め、料理撮影やTV・動画のフードコーディネート、料理講師など幅広く経験を積んだ後、独立。 栄養学の知識を活かしたメニュー開発や、料理撮影、スタイリングなどを行う。 二児の母で、離乳食や幼児食の大切さを日々実感中。 食の楽しみを第一に、日々の少しの工夫で健康も目指せることを大切にしている。

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