お米の中でも有名な品種である「あきたこまち」。みなさんもスーパーのお米売り場でよく見かけることのあるお米だと思います。今回は「あきたこまち」の産地についてご紹介いたします。
「あきたこまち」の栽培の始まり
「あきたこまち」は1983年頃から秋田県内の各地で試験的な栽培がスタートし、優秀な品種であることが認められ、
昭和59年(1984年)に当時の秋田県知事が記者の前で発表し、正式に「あきたこまち」が誕生しました。
正式に誕生して間も無く日本穀物検定協会が実施する「食味試験」でコシヒカリを超える優良な結果を納めたことをきっかけに秋田県内全域での栽培がスタートしていったといいます。
当時、秋田県では冷害やいもち病に悩まされる農家が多く、味が良く冷害にも強い「あきたこまち」は瞬く間に広まっていきました。
「あきたこまち」の産地
「あきたこまち」の主要産地は名前の通り、秋田県が最も多くお米を生産しています。その量は秋田県だけでも約40万tも生産されています。
寒冷な気候の秋田県で栽培できるお米を目指して作られているため、雪深く、冷涼な秋田の気候でも健やかに育つことができます。
また、非常に優秀な品種であるため、全国各地でも栽培されており、岩手県、茨城県で特に多く栽培されています。
「あきたこまち」はコシヒカリに比べて10日から2週間も早く収穫できると言われており、秋田よりも暖かい茨城では8月のお盆の頃から収穫が始まります。
極端な話ではありますが、1軒の農家で全て同じ品種を栽培すると、管理や収穫の適期が全て同時にくることになり、その分作業が大変になってしまいます。もし収穫の適期を逃してしまえば、お米の品種も下がってしまうことにつながります。そこで栽培時期をずらすことができる品種として「あきたこまち」が重宝されているのです。
冷害に悩む秋田の農家さんを救った「あきたこまち」はその味の良さから消費者にも嬉しく、栽培時期をずらしたい他県の農家さんにとってもありがたい品種と言えます。
ぜひ、あきたこまちの歴史を感じながら味わってみてはいかがでしょうか。