精米方法で変わるお米
一口にお米といっても、精米方法でその顔がガラリと変わります。普段私たちがよく目にする真っ白なお米は、白米です。これは米の発芽・成長するための栄養分を蓄えている胚乳と呼ばれる部分です。白米になるためには、収穫したお米から色々な部分を取り除かなければなりません。
稲から脱穀されたばかりの米は籾(もみ)と呼ばれます。一番外側を籾殻に覆われ、そして果皮・種皮・糊粉層からなる糠層に覆われています。この糠層と、米の芽として成長する胚芽、2つを合わせて糠(ぬか)といいます。日常的に馴染み深い白米は、糠を完全に取り除いたものです。
日本人は粘りの強いご飯を好む傾向があり、白米は消化がよく、ふっくら炊き上げることができます。しかし、白米より栄養価が高い玄米、分つき米なども美容健康に良いと注目されています。
栄養価抜群の玄米
稲から脱穀し、さらに籾殻を取り除く籾すりをした状態の米を、「玄米」といいます。表面を糠で覆われているため、白米に比べ見た目は黄色いです。しかし、玄米は、もともと米が持っている栄養価を保っている状態なので、白米よりも栄養分が豊富です。炊飯した状態で、ビタミンEが約12倍、ビタミンB1が約8倍、鉄分が約6倍、食物繊維が約5倍、白米よりも含まれていると言われています。そのため、玄米は美容健康によいとされ、美白、むくみの解消、老化防止、ダイエットなど様々な効果が期待できるといわれています。
玄米は、表面を糠に覆われているため、白米と同じように炊くとパサパサした芯が残っている食感となり、ふっくら炊き上がりません。圧力鍋で炊いたり、浸水時間、水の量など調理方法の工夫が必要になります。
玄米と白米の長所を活かした分つき米
「栄養価が高い、かつ、美味しいお米が食べたい!」と、玄米と白米両方の長所を生かしたのが「分つき米」です。分つき米は、精米方法で種類が分けられます。玄米から糠層と麦芽を3割取り除いた三分づき米、5割取り除いた五分つき米、7割取り除いた七分つき米などがあります。糠を取り除く割合が高いほど白米に近いことになります。栄養分析では、五分つき米で玄米の約80%の栄養が残っているといわれています。
玄米よりも炊きやすく、白米に混ぜたりすることで、栄養価の高いごはんとして、より美味しく食べることができます。玄米に比べ、消化吸収が良いこともあり、玄米に慣れる前の段階としても食べられているようです。