初夏を感じる季節ですね。
この時期のお弁当は、程よくあっさり食べやすく、それでいて、本格的な夏に向けて身体を整えるための栄養バランスも大切にしたいもの。
お弁当にぴったりのお米の選び方や炊き方、気になる食中毒対策なども解説します。
また、ごはんに合うおかずとして、作り置きできる「粕床」を使った、粕漬けをご紹介♪
なかでもおすすめは、今が旬の銀鮭を使った「銀鮭の粕漬け弁当」
酒粕のやさしい甘みと発酵の香りをまとった銀鮭は、冷めてもおいしく、ごはんとの相性も抜群。
和のお弁当は、消化にもやさしく、ほっと落ち着く味わいです。
目次
お弁当に最適なお米とは?
お弁当のお米選びで大切なのは、「冷めてもおいしいこと」。
時間が経ってから食べることを意識してお米を選ぶことで、お弁当の美味しさがぐんとアップします。
また、一緒に入れるおかずによって、お米の味わいを選ぶのもおすすめです。
口の中でおかずと自然になじむお米や、全体を食べ終わった後の食後感まで計算して選ぶことができたら、かなりのお米上級者!
例えば、甘い味付けや、しっかり濃い味のおかずが多い場合は、あっさりとした味わいのお米が相性が良いです。
また、焼き魚や卵焼き、煮物など、すっきりとした和のおかずが多いお弁当には、あっさりしすぎず、ごはんの甘みを感じられるお米がおすすめです。
冷めてもおいしいお米の特徴
お弁当にも向いている、冷めてもおいしいお米の特徴は、主に以下のようなものです。
- 時間が経っても硬くなりにくい
- ほどよい粘りと甘みがある
- 粒感があり、おかずと合わせてもべたつきにくい
粘りが強すぎるお米は、炊きたてはおいしい一方で、お弁当にすると詰まりすぎたり、べたつきを感じることも。
反対に、あっさりしすぎているお米は、冷めたときに硬さやぱさつきを感じやすい面もあります。
粘り、甘み、粒立ちのバランスがよいお米を選ぶとよいでしょう。
ごはんは冷めると、でんぷんの性質によって少しずつ硬くなっていきますが、水分をほどよく保ち、もっちり感が残るお米は、冷めても食べやすいです。
実は、お米は炊き立てよりも、冷めたときのほうが粒がしっかり締まり、咀嚼回数も増えるため、そのお米本来の繊細なおいしさを感じやすいともいえます。
お弁当のごはんをおいしくする炊き方、詰め方のコツ
同じお米でも、炊き方や詰め方を少し工夫するだけで、おいしさが変わります。
・浸水時間をしっかりとる
・水加減は気持ち少なめ〜通常程度にする
・炊き上がったらすぐにほぐす
・余分な蒸気を飛ばしてから詰める
・完全に冷ましてから蓋をする
お弁当でもベタつかず、粒立ちのよいごはんに炊き上げるためには、芯が残らないようしっかりと浸水したお米を、気持ち少なめの水加減で炊き上げるのもおすすめです。
炊き上がったごはんは、一度やさしくほぐし、余分な蒸気を飛ばします。必ず粗熱を取ってから、お弁当箱にふんわり詰めましょう。
お弁当箱に詰めてからも、すぐに密閉しないこと。完全に冷めるまでは、蓋を開けておきます。
湯気がこもると、ごはんがべちゃっとしたり、傷みやすくなる原因になります。
お弁当の食中毒を防止するためのポイント
特に梅雨時や暑い時期は、気温と湿度が高くなりやすいため、注意が必要です。
①つけない
原因菌をつけないために、衛生面に気を付けて調理する。手、お弁当箱、調理器具はしっかり洗って消毒。生のまま入れる野菜や果物もしっかり洗い、清潔なキッチンペーパーなどで水気をよく拭く。
②やっつける
食材は中心部までしっかり加熱する。
③ふやさない
よく冷ましてから詰める。水分の多いおかずは避ける。保冷剤を添えたり、保冷バックに入れたりして温度を上げない。
食中毒を防止するための、詳しいコツやポイントは、こちらのコラムにも記載しています。
→新生活に役立つお弁当のコツ パリッと海苔のおにぎりの包み方
参考:厚生労働省 家庭での食中毒予防
参考:農林水産省 食中毒予防3原則
ごはんを美味しく食べるお弁当箱の選び方
お弁当のおいしさは、お米やおかずだけでなく、「お弁当箱」そのものによっても変わります。
特にごはんは、水分や蒸気の影響を受けやすく、お弁当箱の素材や形状によって、時間が経った後の食感や風味が変化します。
ごはんを美味しくいただく目的であれば、調湿性に優れた木製のわっぱ弁当箱がおすすめです。
もちろん、どんな素材でもメリットとデメリットがありますので、使い勝手や用途によって使い分けるのが良いかもしれません。
【木製、わっぱ弁当箱】
・メリット…調湿性があり、木が余分な水分を吸ってくれるため、ごはんがべたつきにくく、冷めてもふっくらとした食感を保ちやすい。香りがよい。
・デメリット…表面加工がされていないものは、シミやにおいがつきやすく、浸け置きができなかったり、完全に乾燥させないとカビやすいなど、扱いが少し難しい。汁気のあるおかずは適さない。
【プラスチック製のお弁当箱】
・メリット…軽く、扱いやすい。耐熱性のものは、食洗機で洗うことができたり、レンジで温め直しができるものが多い。
・デメリット→蒸気がこもりやすく、水滴によってごはんがべたつくことがある。においや色移りがある。
【金属製のお弁当箱】
・メリット…においや油分が残りにくく、おかずを選ばず詰められる。熱を逃がしやすく、比較的早く冷める。丈夫で長持ちしやすい。
・デメリット…金属は温度の影響を受けやすく、冬場は冷たく感じやすい。レンジでの温めができない。
また、素材だけでなく、お弁当箱の深さも大切なポイントです。
深すぎるお弁当箱は熱や蒸気がこもりやすく、ごはんが押し固められやすくなります。
ごはんをふんわり詰められる、ほどよい深さのものを選ぶと、お米の粒感や食感を楽しみやすくなります。
お弁当箱にも目を向けることで、冷めてもおいしいごはんに近づきますよ。
旬の銀鮭を使った、粕漬けレシピ
お弁当でも定番の、ごはんに合うおかずメニューといえば、やっぱり焼き魚。
今回は、旬の銀鮭を使った粕漬け弁当のレシピをご紹介します。
粕床は、材料3つ!作っておけば、冷蔵庫で2週間ほど保存でき、色々なものを漬けられて便利です。
ぱさつきがちな焼き魚も、酒粕に漬けることで、ふっくらしっとり。
発酵の香りとやさしい甘みが加わり、冷めてもおいしい一品に。
前もって仕込んでおけば、朝は焼くだけ!忙しい朝の味方です。
【銀鮭の粕漬け焼き】


調理時間:約20分(※漬け込み時間を除く)
材料(作りやすい分量)
【粕床】※魚の切り身が8枚程度漬けられる量
- 酒粕
- 200g
- みりん
- 大さじ3
- 味噌
- 大さじ2
【粕漬けの材料】
- 銀鮭
- 2〜3切れ
- 塩
- 小さじ1程度
作り方
【粕床】
❶ 酒粕に、みりんを少しずつ加え、練り混ぜる。酒粕が硬い場合は、酒または水(分量外)を適宜加え、電子レンジなどで温めて柔らかくする。硬さの目安は、味噌より少し柔らかい程度。

❷ 味噌を加えて混ぜる。


【粕漬け】
❶ 銀鮭は、全体に塩をふり、5〜10分ほど置く。

❷ キッチンペーパーなどで、出てきた水気を拭きとる。

❸ ラップを広げ、粕床を魚の大きさに合わせて塗る。銀鮭をのせ、上面にも粕床を塗り広げる。



❹ ぴったりとラップで包み、冷蔵庫で1晩~2日程度漬けておく。

❺ 粕床をぬぐい、お好みの大きさに切る。魚焼きグリルやフライパンなどで焦がさないよう注意しながら焼き上げる。



粕漬け焼きを美味しく焼くポイント!
作った粕床は、冷蔵で2週間程度保存可能です。
お好みのお魚のほか、お肉やお野菜も漬けることができます。
粕床自体に塩分をあまり加えていないので、長く漬けても塩辛くなる心配はありません。素材にあらかじめ塩をしてから漬けましょう。

漬け終わった粕床も、捨てずに無駄なく活用できます。お味噌汁に加えたり、炒め物や煮物の隠し味にすると、コクが出ますよ。
生の魚や肉を漬けたものは、早めに使いきり、必ずしっかり加熱してからいただきましょう。
魚を粕漬けにするメリット
魚を酒粕に漬けることで、
・魚の臭みがやわらぐ
・身がしっとりやわらかくなる
・旨みが増す
・保存性が高まる
といったメリットがあります。
特に、脂のりのよい魚は、酒粕との相性が抜群です。
銀鮭の他には、
・銀だら
・サワラ
・サバ
・ブリ
などもおすすめです。
発酵の香りと魚の旨みが重なり、ごはんがすすむ味わいになります。
また、冷めても比較的しっとり感が残るため、お弁当のおかずにも向いています。
国産の銀鮭は、4~7月頃が旬。
旬の魚を粕漬けにすることで、日本の発酵文化を楽しむことにもつながります。
初夏のお弁当に、ぜひ取り入れてみてくださいね!
酒粕の栄養や効果を管理栄養士が解説
粕床に使用した、酒粕。
「発酵食品で体によさそう」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
酒粕は、日本酒を造る過程で生まれる副産物です。日本酒を絞った後の搾りかすが「酒かす」ですが、お米や麹、酵母の栄養が凝縮された、栄養価の高い食品です。
古くから甘酒や粕汁、漬け床などに利用され、日本人の食生活を支えてきました。
酒粕には、主に次のような栄養素が含まれています。
・アミノ酸
・食物繊維
・レジスタントプロテイン
・ビタミンB群
特に注目したいのは、発酵によって生み出されたアミノ酸。
アミノ酸は、私たちの体を作る材料になるだけでなく、食品のおいしさにも深く関わっています。
粕漬けにすると魚や肉がおいしく感じられるのも、酒粕に含まれるアミノ酸や発酵由来の旨み成分によるものです。
また、酒粕には食物繊維に加え、「レジスタントプロテイン」と呼ばれる、消化されにくいたんぱく質が含まれています。
レジスタントプロテインは食物繊維に似た働きを持ち、腸内環境を整えるサポートが期待されています。
近年は腸活が注目され、腸内環境と健康の関係が日々研究されています。日本人が古来から活用してきた発酵食品を日常的に取り入れることは、腸内環境の改善をサポートしてくれます。
更に、酒粕には、ビタミンB1やB2、B6などのビタミンB群も含まれています。
ビタミンB群は、糖質や脂質、たんぱく質をエネルギーとして利用する際に欠かせない栄養素です。
ごはんや魚を中心とした和食との相性がよいのも、栄養学的にもうなずけます。
酒粕を食生活に取り入れる際の注意点とポイント
酒粕は栄養価の高い発酵食品ですが、健康に良いからといって、たくさん食べれば良いというものではありません。
おいしく、無理なく続けるためにも、いくつか知っておきたいポイントがあります。
①アルコールが含まれている場合がある
酒粕は日本酒を搾ったあとに残るものなので、製品によっては微量のアルコールを含んでいます。
加熱するとアルコールは飛びますが、完全になくなるわけではありません。
そのため、
・小さなお子さま
・妊娠中・授乳中の方
・アルコールに弱い方
・車を運転する予定がある方
は、食べる量やタイミングに配慮すると安心です。
②大量摂取に注意
酒粕は発酵食品ですが、原料はお米です。
そのため、糖質やエネルギー(カロリー)も、当然ながら含まれています。
健康に良いというイメージだけで、食べ過ぎないことも大切です。
健康的な食生活において大切なのは、特定の食品をたくさん食べることではなく、様々な食品をバランスよく食べること。
酒粕も、
・粕漬け
・粕汁
・甘酒
・味噌汁へのちょい足し
など、日々の食事の中で少しずつ、長く楽しむのがおすすめです。
発酵食品ならではの豊かな香りや旨みを味わいながら、無理なく取り入れていきたいですね。
お弁当におすすめのお米
冷めても美味しいお米をお米マイスターが厳選しました!
炊き立てはもちろん、冷めた時の美味しさが変わらない3つのお米です。
青木さんの山形県南陽市産
ミルキークイーン(特別栽培米)
ミルキークイーンはもちもちとした食感で粘りが強く、冷めても美味しいお米です。水加減を通常より1割程度少なくして炊くと、その粘り・弾力・ツヤなどが特に際立ちます。ねっとりとした粘りが濃密で噛むほどに徐々に甘さが増していきます。
黒澤ファーム(黒澤信彦)さんの
山形県南陽市産夢ごこち(特別栽培米)
しっとりとした質感で幸福感のある濃密な粘りを楽しむことができます。飲み込んだ後はまろやかな旨味が口に残ります。冷めてもしっとりです。農林水産大臣賞受賞を受賞している農家が育んだ逸品。
城下和彦さんの
京都府京丹後市産夢ごこち『特別栽培米』
京都最北端の地で海と森が育む「夢ごこち」です。大粒で充実した粒感。キラキラと輝く艶が素晴らしいお米です。ハリがあり滑らかな舌触りでありながらしっとり粘り、飲み込んだ後にしっかりと甘さが口に残ります。













