稲は連作障害がおこらない!?

お米の作り方

作物の連作障害とは?

みなさん連作障害という言葉を聞いた事はあるでしょうか?あまり馴染みがない言葉ですかね?同じ場所に同じ作物を連続で栽培すると、生育が極端に悪くなったり、収穫量が減ったり、病害虫が発生しやすくなるといった現象が発生します。これを連作障害と言います。

作物を栽培すると、土中にあるその作物が好む養分が使われ欠乏しやすくなります。その作物を好む病原菌が土中に増えていきますし、土中の養分バランスも悪くなります。そして翌年も同じ作物を植えるとさらにその傾向が進み、作物が育ちづらくなってきます。

連作障害を防ぐために畑では輪作を行い、毎年作る作物を変える事で対応していきます。では田んぼではどうでしょうか?お米農家さんからは、よく「先祖代々伝わる田んぼでお米を作っている」と聞きますが、稲は同じ土地で毎年作り続けることができます。野菜では発生する連作障害がなぜ稲にはおこらないのでしょうか。

田んぼに水を張ることがポイント

田んぼで連作障害が起こらない理由は、「水を張っているから」です。
河川や用水から田んぼに流れ込む水に含まれる養分(山の落ち葉や窒素・リン酸等)を利用できます。水を入れる事で毎年多くの養分が田んぼに補給されることになります。また、水の影響で土の中にたまる有害物質が洗い流され、過剰な成分や有害な成分を流し出し、雑草の発生を抑えてくれます。田んぼに水をためることで、土壌中の酸素が微生物によって使われてしまい、土の中は酸欠状態になり、有害な微生物や菌類が死滅してしまいます。酸性だった土が次第に中性になり、稲が育ちやすい環境になってきます。微生物の活動が鈍くなり根や葉などの有機物の分解がゆっくり進むため、長い時間稲に養分がいきわたります。

気温の変化からも守ってくれる

水は温まりにくく冷めやすい性質があり、水を張ることで温度の急激な上昇を防ぐことができます。稲を寒さから守ってあげたり、夏の暑い時期には深水や掛け流しをすることで高温障害をおさえる役割を担ってくれます。何百年にもわたり、同じ土地で米を作り続けることができる理由は、「田んぼに水を張る」という大発明のおかげなのです。

もうすぐ田植えの時期ですが、太陽の光がキラキラ映える田園風景には、こんなチカラが隠れていたのです。ツナギでご紹介している農家さんたちの自慢の水田には、どれも綺麗な水が流れ込んでいます。この水こそが美味しいお米の必須条件なのでしょう。


編集者プロフィール

ツナギ編集部
ツナギ編集部
ツナギの米・食味鑑定士がお米の品種、生産地、生産者、お米コンクール等のお米にまつわるデータをご提供します。消費者に知られていないお米の情報や力のある米農家を世の中に広めるのが使命だと考え情報発信をしていきます。

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